2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「人間らしい生」について

全く別のことを書こうとしていたのだが、あまりにびっくりしたので、急遽、こちらについて書くことにした。ちなみに、以下で問題にする記事の存在を、私はkaichoo(黒瀬陽平)さんのツイッターで知った。*1ちょっと、言葉を失って唖然としているというのが、正…

SYNECDOCHE, NEW YORK

チャーリー・カウフマン監督の映画『SYNECDOCHE, NEW YORK *1(邦題「脳内ニューヨーク」2009日本公開)』)(2008)について。超ネタバレですので、ご注意ください。 この映画には二つの異なる時間軸がある。一方は、演出家である主人公ケイデン(フィリッ…

作品について 最終回  12/11改(青字)

(つづき) 『限界芸術論』に戻ろう。既に触れたように、普遍性の僭称を批判する目的において芸術の外部たる「限界芸術」の普遍性をこそ尊重し保護するのだという口実は、しかしながら、制度としての芸術業界なるものの積極的な(お節介な)介入を批判するこ…

作品について 9

(つづき) グーランに拠れば、先史芸術にあっては、それを作るためには言語が必要であるという理由から、芸術は言語活動とも区別され得ない。たとえば、頭という概念なしに頭部をそれとして分節し、描くことはできない。骨格という概念なしに骨格は描けない…