2012-01-01から1年間の記事一覧

装飾について その3 *3/21画像の一部を変更

モリスにとって工芸美術は、自然の尊重、素材の知識、技術の知識、生活への知識、文化や歴史への知識を活用することで生み出されるべきものである。美を事物の生成に必要な時間*1の遵守によって裏付けること、それこそが、利潤を最優先に計算された労働に対…

装飾について その2

大学を出て23歳の1856年、モリスは建築家ジョージ・エドモンド・ストリートの事務所に就職。ここで建築とプロダクトデザインへの情熱を授かるもわずか9ヶ月で退社したのち、しばらくぶらぶらしていたらしい。ぶらぶらしている間に友人のロセッティ*1らと共に…

装飾について その1

柳宗悦の民藝運動はウィリアム・モリス(1834〜1896)のアーツアンドクラフツ運動に連なるが、その柳はモリスに対して、「正しき工芸の美を知らなかった」と批判してもいたことは、前回触れた。美意識に煩わされた工芸であり、充分にゴシックでないと言って…