「現代アート基礎演習」

 このブログは私の年来の友人ばかりではなく、どうやらまったく面識のない方も覗いて下さっている(らしい)。最近では仕事で知り合った方、また、私がデッサンを教えに行っている学校の学生さんも覗いて下さっている。(いいかげん、退屈されないように工夫しないといけないわけだが・・・・。)というわけだから、ここを読んで下さっている方々の中には、いわゆる現代美術などというものに直接触れる機会のあまりないひとがいるはずである、そんなあなたのために、以下の雑誌を推薦することは無駄にはならない、というか、そうしたひとのために必要である。(今日現在、はてなでこのことを記事にしているのは私だけのようだし。)
 造形作家岡崎乾二郎が監修を務めた特集「現代アート基礎演習」の掲載された美術手帖2008年8月号が出た。表紙を一見しただけではわかりにくいからこうして宣伝する。この特集を読めば、間違いなく芸術が面白くなる。そして、実際のそれぞれの仕事場での実践に役に立つ。絶対に読むべきだ。平明な文章で書かれているから、ちょっと立ち読みしてみるだけでもいいかもしれない。たぶん、家に持って帰りたくなるはずである。最終章の「無重力とは何か」は平明な文章にも関わらず内容として難解であるが、私自身はと言えば、これを読んで自分のブログ「すもも画報」があまりに出来合の(誰かが作り上げた)事物の秩序の中を行ったり来たりしているだけのように思われ、ちょっと恥ずかしくなった。反省しよう・・・・。そう、今思いついたというか思い出したというか、なのであるが、岡崎乾二郎の批評や芸術論を読んだり聞いたりすると、不思議とありとあらゆる事象を批評したくなる。これを読んで、その理由の一端が、理解できたような気がした。僕はまだまだ心の門番が世俗にとらわれすぎ、ケチなのだろう。
 特集の末尾に掲載された岡崎乾二郎による「芸術よ、ミジンコの道を歩け!!」には心打たれるものがある。



美術手帖 →http://www.bijutsu.co.jp/bt/
四谷アートストゥディウム →http://artstudium.org/